今回は「攻殻機動隊ARISE ALTERNATIVE ARCHITECTURE」を解説します!

物凄い情報量で、難解に思える「ARISE」シリーズ。しかし、よくよく考えて、注意深く視聴すれば、きっとどんなアニメよりも濃くて面白い!

○時はクリスマス。一般人たちは国際水企業に「水の有料化」をやめるよう訴えている
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ちゃんと聞いていないと何のデモかわからないかもしれません。この「国際水企業」についてはTV版ではこれから放送の「GHOST TEARS」で描かれていたので、わからなくても仕方ないですが。

ちゃんと説明すると、現実に、環境汚染など諸々の要因から、将来、水が有料化される可能性があるわけです。

無料で綺麗な水が手に入ること自体、国際的な視点で見れば、珍しい。その点で日本は凄いのです。

これからの時代、全ての物事は世界基準で変化していきます。なぜか? それはインターネットであらゆるものがつながっていき、グローバル企業が台頭する中で、あらゆるものの価値が並列化されるからです。日本に住んでいるという特権は消え、「日本はいつまでも綺麗な水をタダで飲める」という思いこみは消え去るでしょう。

そのあたりをSF要素として取り上げているわけですね。ちょっと難しい話でしょうか……

あー、あと義体を作るのに、大量の純度の高い水が必要という設定だそうで、それが大きな要因ですね。

素子たちがこのデモ隊を見張っているのは、犯行予告があったからです。

○デモを鎮静化するための兵隊たちがゴーストハックされ、一般人に発砲。または自分たちで撃ちあう
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何者の仕業か? 調べたところ……
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○草薙素子、国際水企業の社長に発砲
兵隊たちを操っていたので殺しました。素子の独断でやってしまったのでしょう(若さゆえ?)。こんなことしたら捕まるはずなんですが。まあ光学迷彩着てるし、バレませんでした。

○素子、襲われる「ファイアスターターは止められない」という謎の少女の囁き
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飛び降りたところで、枝をつけられていたことに気付きます。素子がまだ未熟な証拠ですね。ヘリから射撃を受けます。その後も敵が執拗に攻撃してきます。誰が襲ってきているのか? それはまだ謎です。
映像綺麗です。

○義体少女、エマとの出会い
「ARISE エマ」の画像検索結果
彼女は電脳ネットゲームのヒットメーカーだそうです。戦災孤児の17歳。

○素子、荒巻と揉める「ゴースト侵入キーについて」「独立小隊について」
これは今後へのちょっとした伏線です。そりゃ、義体はモノですから、生身と違い、他人の所有物になる可能性があるわけです。ゴースト侵入キーというのは、きっと素子の電脳に(精神に)勝手に潜りこんで、自己を操作するための道具のようなものでしょう。

ホヅミ大佐の登場
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陸軍情報部に所属しているそう。エマを欲しがっています。荒巻はそれをかわすことに成功。
現場で使用された電脳ウイルスが、洗脳・ゴースト侵入・疑似記憶形成に関わっているとみています。


○ロジコマの存在
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ARISEには、ロジコマというロボットが登場します。確か、要らない兵器として放っておかれていたのを、素子が公安チームを作る際に持ち出して、今に至るという感じです。(GHOST PAINにて描かれました)

このシーンは後の「タチコマ」の伏線です。この中に人が乗って、走る武器庫にすればいいという発想。SACなど他の攻殻シリーズを知っていればニヤニヤできます。

○事件の進展
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「君は国向けの人材ではない。NPOでも作ってキャンプ暮らしでもしたまえ」
荒巻が国際水企業の社長と話し、こう言われます。これは情報提供です。
「NPOとキャンプ、そして外務省……兵器開発審議会」
「電脳化障害を治療するNPO。戦時中にクザン共和国の難民キャンプで電脳化と学習装置の普及を図っている」
「エマがNPOの治療記録でヒット。戦災孤児の施設で、電脳化を拒み脱走」

イシカワが検索でワードに関連する物事を調べました。それにより捜査が進みます。

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「問題はそのNPOが軍事開発によってリードされた企業取引にどうかかわったかだ。戦時ビジネスに関わった軍人と企業、両方から攻めろ」

○エマを移送中、素子はゴーストにもぐりこむ。そこでエマの中に、「二つ目のゴースト」を発見。
まずは台詞を羅列しておきます。これを聞き取って理解しないと、話がわからなくなります。

素子「わたしに枝をつけてわざと捕まったか。ファイアスターターとはなんだ?本当にハッカーの名か?」
素子「情報部がお前を欲しがっている。軍事法廷に司法取引はないぞ」
エマ「……潮の香りがする。わたしたちは勝手に海に近づくことも許されない。プログラマは武器と一緒で、法律で自由な移動を禁止されているから」

プログラマーがこういう待遇になるというのは、確かにありえますね。やっぱりガチガチのSF作品です。

エマ「昔のガラス職人は自由に移動できなかった。ガラスは政府の資金源だったから。ガラス職人が他国に行くときは両目をつぶされた」
バトー「亡命? それで虐殺騒ぎを?」
エマ「電脳は人を幸せにすると思う? あなたの記憶は本物?それとも誰かに植え付けられたもの?」
エマ「マイクロマシンベースの電脳化が実現したとき、世界中の専門家が警告したわ。偽りの記憶が犯罪に使われるって」
エマ「どの組織もその技術を欲しがってる。わたしの技術を」
バトー「記憶操作の技術を確立したってか!?」
エマ「あなたの記憶も、もしかしたら」

ここで少佐が激おこプンプン丸です。
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素子はシビレを切らし、電脳に潜ろうとします。
そこでまさかの少佐が逆にハックされます。「エマ……危ない、エマ……!」
エマが男声で喋ります。どうやら普通の状況ではなさそう。
○謎男「ああああああああああああああああ!」
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素子は、接続を切り、何とか助かります。
素子「ゴーストが、二つある!?」

……という感じです。今回はこれでおしまい。ふう。

めっちゃくちゃ濃い!!!!!!!!

どうやったって三分でまとめられないよ……
一体何割の視聴者がついていけたのでしょうか……
冲方さん、こういうのは小説でやりましょう。台詞一つ一つに意味があり、わたし、はしょった部分もこれで大丈夫かな、って今思ってます。

〇今後への伏線

☆エマとは何者か?
それが一番大きな謎です。頭がこんがらがっている人はまずそこだけ悩んでましょう。

今回で明らかになったのは、

○ヒットゲームアプリ開発者であること(メーカー名はにオズの魔法使いに関連があります)
○超ウィザード級ハッカー(要はちょう強いハッカー)
○一つの電脳に、二つのゴーストを持っていること
○戦災孤児で、NPOに無理やり電脳化された(電脳化を拒むものは病人だとされる……時代に追いつけない人はまともな人間だとさえみなされないのですね)
○プログラマーは移動の自由がない。エマは亡命のために捕まった。海に行きたい。

です! 最低限これだけは覚えておきましょう。そうしないと次回からチンプンカンプンです。今後、どのような展開を見せていくのでしょうか!?

☆誰がエマや少佐を狙撃し、襲ったのか?

この作品は劇場公開のものと違い、時系列がごちゃごちゃなので、推測は難しいかもしれません。
次の展開「二話」を待ちましょう!


○OPが凄くお洒落

OP「あなたを保つもの」よかったですね。コーネリアスと坂本真綾(素子のCV)のコラボレーション。坂本真綾さんはいつも澄んだ綺麗な声で歌います。

☆バトー視点で漫画化!
TV版と違い、時系列順に書かれています。映像では追いつけない、ゆっくり文字媒体で楽しみたい方、お勧めです。細かく描かれていてクオリティ高いです。