今回は「蒼穹のファフナーEXODUS」の二クール目がどのような展開を見せるのか、1クール目を振り返りながら、色々と勝手に推測しようと思います。

最近DV事件を起こし、話題になった冲方丁氏。保釈はされたようですが、今後の創作活動に影響が出ないか心配です。
この事件について、冲方氏自身に失望した読者もたくさんいるでしょう。わたしも、妻に暴力を振るうような人だったのか、と少しがっかりです。作者と作品を結びつけて、「あのDV作家が書いた作品をわたしは楽しんでいるのか」と思う人はいるかもしれませんが、作家と切り離して、作品を楽しむことも出来ると思います。
作品に興味がない人が、作家を冷やかすために作品に悪口を言うのは、悲しいことですね。

概要



この記事はネタバレを含みます。アニメ視聴済みの方だけ、先を読んでください。

西暦2151年、ある理由でフェストゥムとの戦いから一歩引き、再び世界から隠れていた竜宮島にも遂に「状況」の影響が起こる。過去に島を幾度も襲撃していた人類軍が再びやってきたのだ。身構えるアルヴィスの人々だったが部隊を統率する将軍・ナレインに敵意は無かった。
ナレインから「間もなく外宇宙から襲来する新たなミール・アルタイルが世界のパワーバランスを変革する」ことを知る人々。アルタイルを味方にして人類とフェストゥムの長き戦いを終わらせるため、ミールと対話出来る島の少女・日野美羽に人類軍が管理するミールと対話してほしいと真摯に要請するナレインに対し、積年の因縁故に即答出来ないアルヴィスメンバーたち。だがナレインに同行していた、美羽と同じ対話の力を持つ少女・エメリー・アーモンドが島のコアと対話することでコアがファフナーに新たなる力を与え、島外へ美羽を護衛するファフナーを派遣する余力が出来たこともあり、人類へ希望をもたらす可能性のある要請に応えることにした。
一方、立派な大人に成長した第一世代のファフナーパイロットたちは溝口に弟子入りして戦闘機乗りに転向した真矢を除き、それぞれ現役パイロットを退いて訓練教官や整備士に転向していた。一騎は「料理人」として、総士もアルベリヒト研究機関の「研究者」として第二の人生を歩んでいた。だが、「二度と一騎をファフナーに乗せない」という強い覚悟を抱いていた真矢とカノンの想いは再び激化するフェストゥムとの戦いにより儚くも裏切られてしまうことになる・・・。ファフナー乗りの証であった「今も指に残る傷跡」を持つ彼らはやがてそれぞれの戦う理由と決意を胸に、再びファフナーやジークフリードシステムに搭乗することになる。
新世代のファフナーパイロット達を島の守護に残し、選抜メンバーたちはナレインの管轄するエリア・シュリーナガルへと向かう。だが、シュリーナガルはフェストゥムの大軍に蹂躙され、真矢や広登、美羽たちは絶体絶命の窮地に陥る。彼らの危機を救うため一騎と総士が追加派遣される。二人はフェストゥムの大軍を殲滅し、アザゼル型も退け、同化現象に陥った人類軍のパイロットたちも救ってみせるなど『奇跡』と賞される働きを見せる。だが、それは同時にシュリーナガルで生き残った二万人の人々とミールを新天地ダッカまで退避させるエクソダスという過酷な旅の始まりでもあった。(wikipediaから引用)


下が二クール目のPVです。1クール目にカノンが見た未来が、現実になってしまうのか。続きが楽しみというか、怖いというか……という感じです。


これまでのEXODUS
上に大体のあらすじは書いてありますが、1クール目の印象に残る部分をピックアップしようと思います。

①島の外に出る人々

新たな希望を一話で受け入れてしまった彼らは、それを実現するために島を出るか否かを選択することになります。
人類軍の味方をすることが出来ないメンバーもたくさんいました。
ファフナーのアップデートがなければ、戦力に余裕が出ず、彼らが島の外に向かうこともなかったはずです。
しかし、不気味なほどあっさりと島が願いに答えて、ファフナーが強化されていきました。
平和な島を離れ、フェストュムとの戦いに明け暮れる中で、彼らは疲弊していくのでした。

②新次元戦闘

やはりEXODUSの新しい面白味は、新世代たちが行使し始める新たな力でしょう。
それぞれ最初は初々しい限りのメンバーでしたが、アップデートされたファフナーにその力を引き出され、それぞれ異なる力を発揮していきます。どれもフェストュム顔負けの力で、新世代のメンバーが怖くなるほどです。

生まれた異能の力が、彼らの身体を蝕み始める流れも、印象的でした。彼らの身体はどうなってしまうのでしょうか。
カノンや咲良もまた新たな力を得ました。彼らの身体は変化しないかもしれませんが、意識に問題が出てきそうです。
これから先も、おそらくカノンは未来を予知してしまうのでしょう。また、咲良は分身してしまうかもしれません。そんな力を得て、まともなままでいられるのでしょうか。

③一騎と総士の活躍

シュリーナガルでのこのシーンは、多くの人の頭に残っているでしょう。
アザゼル型が現れ、勝ち目がないような状況に立たされた彼らの前に、白と黒の機体が現れ、戦闘が始まりました。あまりにも強大な力のぶつけ合いに、彼らは呆然とするばかりだったでしょうが、視聴者も、同じように圧倒されたはずです。
しかし、あれはあくまでアザゼル型一体だけとの戦いでした。これから人類が戦いを続けていっても勝ち目がない気しかしません。

これからどのような展開を見せるのか?

PVで、一騎がフェストュムの世界を垣間見ているシーンがあります。どういう過程でそんなことになるのかはわかりません。美羽ちゃんたちの力か、それともなんらかのクロッシングによるものなのかもしれません。

人類は選択を求められています。殲滅か、共存かの二択です。

今のところ、人類とフェストュムとの対話はほとんど出来ておらず、美羽ちゃんたちという希望がいて、共存を目指しているとはいうものの、戦ってばかりです。

英雄と言われるほどの力を持つ一騎がそういうものを体験してしまうと、一層、共存を目指すための動きが大きくなっていく気がしています。

わたしは共存が可能な気がしません。彼らの行く先には闇しかないと思います。希望があるとはいえ、実現可能性があると言えるのでしょうか……?

アザゼル型を飲み込んだフェストュムの存在もあります。彼らがダッカにたどり着けるかどうかすら不安です。

一期の最後の一騎の声が、そんな彼らの状況を言い当てていると思います。

「君は知るだろう。本当の悲劇は、絶望によって生まれるのではないことを。運命に抗うことで見いだされる希望、それが僕らを、犠牲へと駆り立てた……」

彼らは、どれだけの犠牲を払わなくてはならないのでしょうか。10月が待ち遠しいです。



「蒼穹のファフナーEXODUS」について、以前記事を書きました。「蒼穹のファフナーEXODUS 現代の神話をつくる」という記事です。作者の冲方丁さんは、創作に「神話」を活かしていると言います。ぜひ、一度目を通してみてください。